チャイルドシートの固定方式2025|ISOFIX時代の構造と選び方
はじめに
「チャイルドシートって、ISOFIXとシートベルト固定があるって聞いたけど、どう違うの?」
そんな声をよく聞きます。
たしかに以前は「どちらで固定するか」を選ぶ時代でした。
でも今はもう、その比較が必要ないほどISOFIXが標準の固定方式になっています。
2012年以降に発売された車には、ISOFIX金具とトップテザーアンカーの両方が義務化され、
チャイルドシートもそれに合わせて設計が進化してきました。この記事では、
「今のチャイルドシートはどう固定されているのか?」
「サポートレッグ式とトップテザー式の違いは?」
を、販売員の視点でわかりやすく整理します。
ISOFIXとは?今の主流になった理由
ISOFIX(アイソフィックス)は、車体に備え付けられた金具にチャイルドシートを直接差し込んで固定する方式です。
取り付けミスが起こりにくく、安全性が安定することから、
国際安全基準R129ではこの構造が標準になっています。2012年以降に生産された国産車には、
ISOFIX金具とトップテザーアンカーの両方が標準装備されており、
今では「ISOFIXを使う前提で選ぶ」のが基本です。
ISOFIXの固定構造は2種類
現在のチャイルドシートは、ISOFIXに加えて
**「サポートレッグ」または「トップテザー」**のどちらかで支える構造が一般的です。
サポートレッグ式(国内の主流)
シートの前方に脚(レッグ)を伸ばし、床で支える方式です。
Combi・Aprica・Cybexなど、後向き対応や回転式モデルの多くで採用されています。
メリット
- 取り付けが簡単でミスが少ない
- 回転式シートとの相性が良い
- 国内車(軽・ミニバンなど)に合わせやすい
デメリット
- 床下収納付き車では使用できない場合がある
- 後席の足元スペースを圧迫する

トップテザー式(欧州の主流)
シート背面上部からベルトを車体後方のアンカーに掛けて固定する方式です。
欧州ブランド(Cybex、Joie、Maxi-Cosiなど)で多く採用されています。
メリット
- 足元が広く使える
- 床下収納の有無に左右されない
- 車内がすっきり見える
デメリット
- 後方アンカーを探して取り付ける手間がある
- 国産車ではアンカー位置が奥まっていて使いにくい
- 回転させるときは、テザーを一度ゆるめる作業が必要
💡トップテザーを使用している場合、回転自体は可能ですが、
その都度ベルトの張りをゆるめて調整する必要があります。
そのため、回転式をよく使う人にはサポートレッグ式の方が扱いやすい構造です。
トップテザーアンカーは、2012年以降の国産車には必ず装備されていますが、
背もたれの裏やトランク側など、普段は目に入りにくい位置にあることが多いです。
初めてチャイルドシートを選ぶ人にとっては、
「ISOFIXは聞いたことがあるけど、テザーって何?」と感じるのも自然なことです。
なぜ日本ではサポートレッグ式が主流?
日本の車は後部座席がコンパクトで、床下収納がある車種も多く、
本来はサポートレッグが使えないケースもあります。
それでも、取り付けやすさや誤装着の少なさから、
実際の使用環境ではサポートレッグ式が主流になっています。
サポートレッグ式は前席側から脚を伸ばすだけで取り付けが完了するため、
後方に回ってベルトを引っ掛ける必要がありません。
「一人でも簡単に正しく取り付けられる」ことが、
子育て世代にとって大きな安心ポイントになっています。CombiやApricaなど、国内メーカーがサポートレッグ式を中心に設計しているのも、
この「日本の車事情」と「使いやすさ」を優先しているためです。
まとめ
今のチャイルドシートは、
ISOFIXを基本に「サポートレッグ」または「トップテザー」で支える構造が主流です。
どちらも安全基準を満たしていますが、
- サポートレッグ式:取り付けが簡単、回転式に向く(国内主流)
- トップテザー式:足元が広い、見た目すっきり(欧州中心)
日本では車の構造や使い勝手の面から、
サポートレッグ式が最も現実的な選択肢になっています。
